本の感想①「今日が人生最後の日だと思って生きなさい」

https://www.amazon.co.jp/今日が人生最後の日だと思って生きなさい-小澤竹俊/dp/4776208954/ref=nodl_#


本嫌いの私が本を読み切りました。

小澤さんの本。全然甘くない。

おじいちゃんが亡くなってから、何か本を通して前向きな感情になりたい。

同じような気持ちを抱えている人の気持ちを知りたい。

毎日を健康で過ごすことができるのに、無駄に生きている。

今日を生きたくても、生きられなかった大切な人がいる。

そう思っていた。

梅田のブックファーストだったか、通勤経路に二軒書店があるので、体力のあるときに立ち寄った。

するとこの本に出会った。

本はいつもだいたいジャケ買い。

自分が読んでいて気持ちいい本を選ぶ。

薄くて、少しためになる、ちょうどいい本。

これだ、これにしよう。


通勤途中や、寝る前に、少しずつ読んだ。

ホスピス、終身医療など、人の最期に携わってきた著者。

本を読んで救われた節はこれ。

  • この世に生きているだけで意味がある。
  • 平凡で価値のない人はいない。

自分の中で、ずっと引っかかっていたこと、それは、おじいちゃんの最期に立ち会えなかったこと。

亡くなる前日、大阪から徳島まで車で行った。母を一緒に連れて。
仕事帰りの22時半くらいに大阪を出て、
大神子病院までは車で2時間半ほど。

食事や休憩をしながら、向こうに着いたのは深夜25時半くらい。


その頃おじいちゃんは、三日三晩心拍が上がりっぱなし。
ずーっと、マラソンをしているようなしんどさ。僕らが到着するまでも、全然眠っていない、とのことだった。

25時半、病院は真っ暗。
職員の計らいで、深夜からも入れるように解錠しておいてくれていた。

そっと病室を覗く。
おじいちゃんは起きていた。

ハアハアと息を荒げていたが、目つきや握力はしっかりしている。

がりがり。
前会った時より何キロ減っていたのだろう。
看護師さんは体重30キロ台にまで落ちていると言っていた。

しかし目つきはしっかりしている。
力のある眼差し。少し安心した。


酸素マスクはしんどいので外してくれと、
声にはならないが、身振り手振りで伝えて来る。

少しマスクをあげてやったり、紐を緩めてやったり。

母と交代で夜中までおじいちゃんの様子を見ていた。

その日は仕事帰り。明日も朝から大阪で仕事。
四時くらいまで仮眠して、混む前に大阪に戻ろうと思っていた。

起きたら8時半。
職場にはもともと、容態次第では休むと伝えていた。

朝のこの感じだと、昼に戻って午後勤務できそうだな。
そう安直に考えてしまい、母を残して大阪へ戻った。
結局、13時過ぎに家に着いたものの、疲れ切ってしまい家でお昼ご飯を食べ、寝てしまった。


17時。母のラインを見る。

「容態がいよいよやわ。家族の人、来れる人は近くにいてあげてって、看護師さんから言われた。」

「了解。兄2人と合流して、車で向かうわ。」


そんな矢先に母から電話。

「今亡くなったわ。」



支度をして、兄弟3人で、徳島に向かおうとする、ちょうどそんな時だった。


結果的には
  • 母を連れて行ってあげれた。母が最期を看取れた。自分があの日の夜に徳島に向かっていなかったら、母は看取れなかった。
  • 三兄弟がおじいちゃんに会うために、最善の行動をした。

ということにはなる。



ただ、あの日結局仕事に行かなかった。
休むのであれば、徳島にいておけばよかった。

最期までおじいちゃんの横にいてあげればよかった。


そんなことがずっと頭に引っかかっていた。







しかし、この本を読んで、
自分のしたことを悲観し続けていても、何も進まないと感じた。

おじいちゃんはそれを望んでいない。

絶対にそれだけはわかる。

中途半端に真面目で、自分が抜けると職場に負担がかかることは始めからわかっていた。

そういうタイミングが来ることも、職場には伝えていた。

でも、一番準備ができてなかったのは自分だった。

最期の時は、いつか必ず来る。

それをわかってなかった。自覚してなかった。

わかってはいたけど、イメージはしてなかった。

そのときに、自分がどうすべきか。
どうこうどするのが、ベストなのか。
自分にとって。周りにとって。おじいちゃんにとって。家族にとって。



それがわかってなかった。

苦しいながら、僕の手を握り、今まで見たことのないような起伏で、僕を見つめ、口を動かしていたおじいちゃん。

あのときおじいちゃんは、何を伝えたかったのか。


いまはわからない。
けど、きっと、いつか、

それがわかる時が来るんだと思う。
あの時、きっとこんなことが言いたかったんだろうな。

そう、自分が納得できる思考が、今後浮かんでくると思う。
おじいちゃんを想い、自分を見つめ直す。
そんな機会をこの本は僕に与えてくれました。

内容に突出したことはあまりないかもしれません。

しかし、何か自分とはめ合わせて、ゆっくり文字を追いかけると、すごく有意義な読書になる本です。

おススメです。


最期までご精読ありがとうございました。

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